件名: 実力を見せる「演出」をする

 

これまで何回か、私が以前勤めていたコンサルティング会社の社長のことを言及してきました。

いやー、本当に「すごい人!」です。

私も、コンサルタントとして、約5年間一緒に仕事をさせてもらいましたが、その中で、一番学んだことは、コンサルティングのノウハウではなく、「プロとしての姿勢」です。

いくつかのエピソードをご紹介しましょう。

 

某社長は、日本一の「メモ魔」だと思います。

打ち合わせ中にメモをとることは常識ですが、そのメモのとり方が尋常ではありません。

普通ならば、相手の話や、決まったことの要点を書く程度でしょうが、某社長は、一言一句、「会話」を書き留めます。

「会話」というのは、相手の話だけではありません。

自分の言葉も含めてです。

まさに、人間録音機。

皆さんも試してみると良いですが、自分の言葉を話しながらメモすることは、難しいことこの上ないですよ。

しかし、それができることは、やはり大きな武器になります。

次回訪問した時に、「あなたは××と言って、私はそれに対して△△と言った」なんて、メモを見ながら話をするから、お客様ビックリ。

お客様は「さすが、プロのコンサルタントは違う!」という印象を持ちます。

 

また、ある時、お客様が浜松から東京に出張されました。

要件は、仕事の相談をするため。

東京のコンサルティング事務所で2時間くらい打ち合わせをして、正式な提案書と見積書を提出することになりました。

その後、そのお客様は浜松まで帰って行ったのですが、自社に到着してびっくり。

20ページくらいの提案書が、既にファックスで届いていたのです。

内容を見ると、先ほどの打ち合わせ結果をしっかり反映したもので、まさに「カスタマイズ品」。

東京の事務所で打ち合わせをしてから、まだ2時間ちょっとしか経っていないのに…

そのお客様は、本当は他のコンサルタント会社にも声をかけるつもりだったそうですが、その提案書を見た瞬間に、某社長に仕事を依頼することを決めました。

それは、提案の内容が優れていたからではなく、某社長の「すごさ」を思い知ったからです。

 

プロは常に、お客様に「すごい!」と思わせることを考えていなければならない!

私が社長から教わった教訓です。

そのためには、実力とともに演出も大事です。

皆さんも、営業については「プロ」ですよね。

どんなことをしたらお客様から『すごい!』と思ってもらえるか?

いつも頭に入れておいてください。