件名:工夫すれば仕事は楽しい

 

私が、コンサルタントになったばかりの頃、上司から仕事を指示されました。

それは、上場企業の会社年鑑(会社四季報のオバケのようなもの。A4版で厚さ15cmくらい)から、約10社のデータを10年分コピーするということ。

「何で、こんなことをしなければならないのか。俺はコピーをとりにコンサルになった訳じゃない!

事務の女性に頼めば良いのに・・・」と心の中で思いながら仕事に取り掛かりました。

 

初年度版の目次を見て、1社ずつコピーをし始めた時、ふと、以前本で読んだ松下幸之助さんの言葉が頭に浮かびました。

「どんな仕事でも、工夫しながら行えば必ず楽しくなる!」

 

手を止め、しばらく考えました。「何か、早く終わる工夫はできないものか」と。

そして行ったのは、『目次を見ないで、当該企業のページを開く』こと。

当然、1年目は、目次からページを調べて開くのですが、2年目からは、前の年を参考に、大体この辺かな、と一気にページを開いてみます。

上場企業が増加する分、会社年鑑も年々厚くなり、同じ企業が掲載されているページも変わるのですが、一発で開けた時は快感です。

そして、1年目、2年目・・・と続けて行くと、ページの増分から毎年何社くらい上場するかも理解できるようになり、結構勉強にもなりました。

 

しばらくして、事務の女性がやってきました。

「伊藤さん。何やっているの?」

「会社年鑑のコピーだよ。」

「何だか楽しそうじゃない。」

「そう見えるかな。エヘヘヘ。」

 

工夫すれば仕事は楽しい!

その時実感しました。