件名: ナンバーワンとオンリーワン
荏原の依田社長が年頭あいさつの中で次のように話しています。
「各事業分野でナンバーワン、オンリーワンになろう!」
「オンリーワン」という言葉は、あまり耳にしたことが無いかも知れませんが、最近、方針を説明する中で、この言葉を使う経営者が増えています。
「ナンバーワン」と「オンリーワン」は、一体、何が違うのでしょうか?
「ナンバーワン」は、競争相手の中で1番になることです。
自動車業界で言えば、トヨタががナンバーワンです。
以前、説明した通り、市場が縮小して行くと、必ず「淘汰」が起こります。
淘汰とは、強い者が、弱い者をドンドン食っていくこと。
食われないためには、自分自身が「強者」になっておかなければなりません。
「ナンバーワン」か、せめて「ナンバーツー」には入っておきたい!
経営者は皆、そんな気持ちでいるのです。
先日、コニカとミノルタの経営統合が発表になりました。
都市銀行も私が大学生の頃は13行もあったのに、今や5グループと半分以下になりました。
どれも、「このままでは弱者になって食われてしまう」という危機感からの判断です。
「ナンバーワン」になるということは市場で「勝ち残る」ことですが、
実は、他社に勝たなくても、「生き残る」方法があります。
倹約して細々と暮らすこと?
違います!
とても裕福な状態で暮らすことができるのです。
その方法とは?
それは、オンリーワン」になることなのです。
「オンリーワン」とは、「自分しかできないこと(もの)」を持つことです。
「××だったら、当社しかない!」
こうなれば強いですよね。
「どこでも同じようなもの」だから価格競争に巻き込まれて利益がでなくなってしまう。
しかし、「当社しかない!」となったら、強気で商売できますよ。
皆さんは、岡野工業という会社を知っていますか?
最近、いろいろな雑誌で取り上げられていますが、社員6人の典型的な町工場です。
この会社が実に6億円の利益を出しています。
なんと1人当り1億円の利益!
その利益の源は、極めて高度な金属加工技術。
どんなに精密な工作機械でも加工できないようなものを、職人の技で加工するのです。
日本を代表するような電機や自動車メーカーの担当者が、
「こんなものを作ってください」とお願いするために日参しています。
「うちの会社ではちょっと…」
そんな声が聞こえてきそうですが、悲観的になることはありませんよ。
先日、ある業界向けに特殊製品が納入されましたが、標準機では考えられない利幅がとれたそうです。
これだって、立派な「オンリーワン」ですよ。
大事なのは、「目のつけどころ」。
競合会社が気づいていないお客様のニーズをいち早く感知し、商品として具現化してあげる。
是非、アンテナをビンビンに張りながら営業をしてください。