件名:能力とは何か?
一体「能力」とは、どういうものなのでしょうか?
ある仕事について、「たまたま今回はできた」というのは「能力」ではありません。
例えばあなたが魚釣りを始めたとします。
ある日、たまたま釣れても、釣りが上手(能力が高い)とは言わないでしょう。
次も、その次も、コンスタントに釣れるようになって始めて、本当に上手くなったと言えるのです。
仕事でも同じこと。
いくら大きな物件を受注しても、いくら新規開拓ができても、いくらお客様から誉められても、それが「たまたま」だったら、それは実力ではありません。
「うちの会社は景気連動型だ!」と常々言ってきましたが、「たまたま」で仕事をしている限り、何年経っても変わらないでしょう。
景気が良くなれば「たまたま」の確率が上がり売上が増え、景気が悪くなれば「たまたま」の確率が下がり、売上が減る。その繰返しです。
よく、「力のある人と無い人の差は景気が悪い時にハッキリする」と言いますが、それは上記の理由からです。
要するに、能力とは「狙ってできること」「再現できること」なのです。
それでは、どうしたら能力が高まるのか?
能力とは、一般的に添付ファイルのようなカーブを描きます。
⇒添付ファイル参照
経験や年期を積めば能力が比例的に高まると思ったら大間違いなのです。
能力は一般的に以下の式で表されます。
能力=経験(年期)×歩留率
歩留率とは、生産用語ですが、簡単に言えば、ラインに材料を流した時に、その何%が良品として生産されるかという率ですが、これを上記の式に当てはめて考えた場合は、「経験をどれだけ能力として蓄積できるか」ということになります。
もっと分りやすい言い方にすると、どれだけ「勉強になった!」という仕事ができるかが歩留りなのです。
(例)
Aさん: 経験10年 ×歩留率10%(10回に1回 「良い勉強になった」 = 能力は正味1年分
Bさん: 経験5年 ×歩留率40%(10回に4回 「良い勉強になった」 = 能力は正味2年分
このような場合は、BさんはAさんと比べて経験(年期)は半分でも、能力は2倍!
通常、添付の能力カーブのように、入社後3年程度は、それほど能力の差がつかないものです。
なぜならば、3年くらいの間は、「ああしろ!」「こうしろ!」と周りからどんどん与えられるのです。
「商品をおぼえろ!」とか「こういう引合いにはこう対応しろ!」とか、周りからドンドン言われながら、自然と力がついて行くわけです。
ところが、4年目ごろから「マンネリ」が始まります。
ある程度、仕事を「こなす」ことができるようになり、周りから「あれこれ」言われることが少なくなります。
せかせかと仕事はしているものの、昔やったことがあることばかり・・・。
考えることが少なくなり、「処理」に追われる毎日。
こうなると、歩留率は急激に悪くなり、いわゆる「能力停滞期」に突入です。
ここで質問です。
あなたは、昨年1年間で、どんな能力がどれだけ高まったと思いますか?
何か、新しくできるようになったことはありますか?