件名:時間効率を高めた事例

 

日本電産という会社をご存知ですか?

京都の会社で、小形モーター等のメーカーです。

近年、コパルやシンポ工業といった倒産寸前の会社を買収し、再建しながら業績を伸ばしています。

その永守社長は、買収した会社の営業マンに対して、即座に、「訪問件数を倍にすること」を命令するそうです。

現場の社員からは当然、「現状を何も知らないくせに勝手なことを言いやがる!」という反発があります。

しかし、問答無用で徹底すると、皆、次第に「どうしたら訪問できるか」を考えるようになります。

訪問経路をどうするか、1社当たりの訪問時間をどうするか、社内業務をどうやって減らすか・・・。

そして、1年くらい経過すると、ほとんどの人の訪問件数は倍になり、業績回復につながるそうです。

 

ある業務用コンピューターソフトを開発、販売している会社の話です。

営業マンの月間訪問記録を見ていたら、ひとつの見込客に何度も訪問していました。

会議で話を聞くと、いつも見込みはAランク。

しかし、なかなかクロージングできずに、ずるずると訪問を繰り返してしまう。

こうしたことを止めさせるために、ある時社長が命令しました。

「ひとつのお客様への訪問は初回訪問からクロージングまで5回以内にする! それ以上は認めない!」

やはり現場から反発がありました。

「ひとつの商談には、初回訪問(状況確認)→仕様検討(数度)→見積り提出→ネゴ→再見積→クロージング

というステップがあり、5回なんかで終わることはほとんどない。社長は『売るな』と言うのか!」

しかし、考えてみれば、状況確認にしても、わざわざ訪問しないで電話やファックスのやりとりでできる場合が

多々あります。

それから、状況を大まかにつかんでおけば、初回訪問時に「仮見積り」だって提出できます。

始めから「5回しかない」ということになって、営業マンそれぞれが訪問する際の「着地点」をきちんと考え、しっかり準備するようになりました。

この会社の場合、「5回ルール」を徹底した結果、売上が従来の1.5倍に増えたそうです。

 

上記の2例は、これまで営業マンが「当たり前」とか「仕方ない」とか考えていたことを変えることによって、

壁を打ち破ったものです。

皆さんも、自分の仕事を振り返ってみた時、身に憶えはありませんか?

両者とも、「トップからの命令」ということが共通していますが、命令がなくても「自分で考え、自分で行動を変える」ことはできるのではないですか?

それとも、どうしても命令という「黒船」が必要なのでしょうか?

なんだか、日本の政治のようで情けないですが・・・。