件名:全原因自己

 

「全原因自己」とは、「どんなことでも全ての原因は自分自身にある」ということ。

私がコンサルタントになって初めて入社した会社の社長が、常々、私たちに指導していたことです。

以前、このFYFで倒産した会社のことを書きました。

その社員の人たちは皆、「景気が悪い。製品が悪い。経営者が悪い。」と言うばかり。

これはまさに、「全原因他人」です。

会社が倒産する場合、確かに経営者の責任は重大です。

会社として進むべき道を決めて行くのは、最終的には経営者ですから。

だからこそ、倒産した場合、経営者はそれまで築き上げてきた全ての財産を投げ出すことになるのです。

しかし、他の社員の人たちには責任は無いのでしょうか?

そんなことはありません。

赤字が続けば、どんな会社だっていずれは倒産しますが、考えてみれば、経営者自身が独力で利益を創出できる手段は、リストラして経費を削減することくらいじゃないですか。

その他は、全て、経営者や幹部の方針に基づき、ひとりひとりの社員が「動いた結果」として利益が出てくるわけですよ。

要するに、いくら利益が出てくるかどうかは、社員の「動き方次第」なのです。

昔、こういう話をしたら、「そうは言っても、自分だけではどうにもならない。自分は頑張っているけど、他の人がしっかり働かないから悪いんだ」なんて言った人がいました。

その人に対して、私は次のように話しました。

「だったら会社を辞めちゃえば」

基本的に、仲間を信頼できない人は、やはり組織人は向いていないと思います。

独力でできるのだったら、その方がストレスは無いし、きっとお金も儲かるでしょう。

私のコンサルタント仲間でも、そういう人はたくさんいますよ。

でも、もしそれができないのだったら、「いかに自分がいる組織を良くするか」しか道はないのです。

ハッキリ言って、本当に自分自身で必死になってやっている人は、「××のせい」なんてことは口にしないものです。

 

誤解してほしくないのは、私は全ての「批判」を否定している訳ではありません。

「××が悪いから、△△して行こうよ」という建設的な批判は、組織を良くするためには非常に重要です。

それまで無くなったら、ただの「仲良しクラブ」になってしまいますから。

問題なのは、「××が悪いから。仕方ないじゃないか」で終わってしまうこと。

「だったら、倒産しても、家族が路頭に迷っても仕方ないよね」

キツイ言い方ですが、本当にそう言いたくなってしまいます。

昔のように売れなくなったら、必死になって売れるような工夫をしてみる。

製品が市場に合わなかったら、合う製品を必死になって提案してみる。

他の人が動いてくれなかったら、必死になって動いてもらえるような働きかけをする。

それでもダメなら、その時はきっと思うでしょう。

「仕方ないよな。でも、これも自分の責任だから、誰も恨まないし、後悔もしない」